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セールスフォース(Salesforce)の特徴と導入を見送った理由

         

セールスフォース(Salesforce)導入は、多くの企業で導入されて、素晴らしい実績が出ていると聞きます。

しかし、導入費用は高額で、手が出せない企業も多く、

実際の良さや、具体的な金額、などについて知られていない事も多いのではないでしょうか?

そこで、大手企業で実際にセールスフォース(Salesforce)の導入を検討された方に、記事の作成をお願いしましたので、参考にしてください。

はじめに

今回は、

クラウド上で顧客管理サービスを提供する米国のセールスフォース(Salesforce)についてご紹介します。

私は、かつて法人向けの営業担当として会社勤務しており、

その際にセールスフォース(Salesforce)の導入をチームで検討しました。

結果として所属していた会社ではセールスフォース(Salesforce)などのサービスを新たに導入することはありませんでしたが、

セールスフォース(Salesforce)の概要とともに、なぜ検討をはじめたのか、当時気になった点、そして導入に至らなかった背景を説明します。

現状

筆者会社概要

まずはじめに、私が当時所属していた会社の概要を説明します。

 事業内容:法人向けのサービスを販売・提供

 組織規模:営業担当者が千人単位で所属

 組織拠点:全国に幅広く展開

 顧客企業:あらゆる業種の中堅~大手企業

 顧客管理ツール:会社独自の顧客管理システム(CRM)

 顧客提案支援ツール:特になし。先輩や上司の助言をもとに顧客開拓、期限や顧客独自の要望などは個別にエクセル等で管理

日常の営業の仕方と課題認識

上記のように、

法人顧客の開拓や、需要予測などは営業担当者自らが個別のツール(手製のエクセルや時にはノート!)で管理していました。

顧客管理については、
社内システムに自分が訪問した顧客との面談内容や次回アポイントなどを入れて管理します。

 

こちらは、

歴代先輩社員が入力したもの20年分くらいを閲覧できますが、
顧客情報保護のために所属の異なる部署からは閲覧ができないようになっています。

 

営業支援ツールについては、特にありませんでした。

 

営業方法といえば、

過去の面談記録を見ながら、自分で見込み顧客のリストを作成し、どんな提案が顧客に受け入れられそうか担当者が判断します。

 

顧客への訪問時期については、担当者が独断で決めています。

 

多忙な担当者が多いので、立地の近い顧客どうしは深い理由はないがついでに行く、というような決め方です。

 

当時私が感じていた課題は、幾つかあります。

  1. 顧客との面談内容の入力方法が決まっていないため、
    入力内容が漠然としているものや、内容のない記録が散見された
  2. 検索機能がないため、
    日付順に並んだ面談記録の一覧から一つ一つ中身を確認しなければ何が書かれているか分からない
  3. 個人の営業成績はシステムの反映までに数日のタイムラグがあり、
    かつ一部売上は営業成績にカウントされないものがあるので、
    結局手元のエクセルで管理していた
  4. システムに期日管理機能はなかったので、
    次にいつ当該顧客に訪問するべきかの決定は個人の経験に依存していた
  5. 顧客の詳細情報(実験者や取引先企業)は別システムで管理されていたため、
    常に複数のシステムを開いて営業戦略を練る必要があった
  6. 過去の面談内容が必ずしも信用できるものではなかった。
    これは、システム要因というよりも、組織文化の問題であった。
    見込みのない顧客であっても、
    営業成績達成のためには売上を上げなければならず、
    「見込みなし」といった記載を上司が見るシステムに正直に入力できなかった。

したがって、

担当交代があった場合、
過去の面談内容をあてにせずに一から自分で状況を確認する必要がありました。

CRMについて

新規CRMツールの導入を検討

営業担当者として過ごした後、

私は営業専門の部署から異動となり、営業企画をする立場となりました。

上司に既存の営業支援システムの愚痴をうっかりとこぼしたばかりに、

自社のシステムをセールスフォース(Salesforce)などの外部システムに切り替える検討を指示されました。

 

当時はメールソフトや社内チャットを一斉に切り替えていたタイミングであり、

流行りものはとりあえずチェックしておく、という雰囲気が背景にはあります。

CRMとは

ここで、CRMについて簡単に説明します。

 CRMは”Customer Relationship Management” という英語の頭文字です。

顧客との関係を管理するシステムを指します。

顧客情報を一元化し、
いつどのような顧客に、何を売ったらよいのか

など営業活動を支援する機能が備わっているものが一般的です。

  

以前は
営業担当者一人ひとりの経験によって営業戦略を立て、個別に実施していましたが、

支援ツールを活用することで

経験がなくても経験者同様に営業活動を行えるようにすることを目標としています。

セールスフォース(Salesforce) 

セールスフォース(Salesforce)の概要

このCRMツールとして

高いシェアを持っているサービスがセールスフォース(Salesforce)です。

同社はこのサービスを
「マーケティング、営業、コマース、サービスなど
すべての部署で、
顧客一人ひとりの情報を
一元的に共有できる
統合CRMプラットフォーム」

と標榜しています。

 

企業内部にサーバーを設置し、
企業内部からのみ使用することを前提とした従来型のサービスとは異なり、

クラウドと呼ばれる、
インターネット接続さえあればどこからでも情報にアクセス可能で
サーバー管理が不要な形式をとっています。

 

セールスフォース(Salesforce)の主な機能

セールスフォース(Salesforce)の詳細な情報や
すべての機能一覧は、こちらから確認できます。

セールスフォース(Salesforce)を検討の際には、ぜひ1次情報をご覧ください。

 

料金プラン

私が営業担当として検討したものは、Sales Cloud というサービスです。

Sales Cloud には4つのプランが存在します。

 

それぞれ表1のようになっています。

料金は月額表示ですが、公式サイトによりますとEssentials 以外は年間契約が必要とのことです。

【表1】

プラン Essentials Professional Enterprise Unlimited
価格 (月) 3,000円/ユーザー 9,000円/ユーザー 18,000円/ユーザー 36,000円/ユーザー
内容 10名までの小規模な企業に最適。基本的な機能に限って使用可能 一部のマーケティング機能に制限あり   売れ筋のプラン全ての機能が使用可能だが、一部課金制 全ての機能が無制限に使用可能

 

上記を補足しますと、

最低価格のEssentials プランについては、

ユーザー数が10名までの契約となっていますので、
ある程度営業人員がいる企業では導入できません。

 

格のEssentials プランについては、

ユーザー数が10名までの契約となっていますので、

ある程度営業人員がいる企業では導入できません。

 

部署ごとに異なるプランを契約することは、

セールスフォース(Salesforce)に交渉するとオプションとして提示してくれることもあるようです。

 

また、

プランのアップグレードについてはいつでも受け付けてくれるようです。

 

ただし、既存契約分の支払い条件等は明示されていませんので、

事前に問い合わせることをおすすめします。

 

Professional と Enterprise の大きな違いは、

機能のカスタム性です。

 

たとえば、

個人の売上レポートはどちらのプランも自動で作成してくれます(Essentials には含まれない)が、

個人ごとにカスタマイズした項目を算出したい、

というような要望はEnterprise 以上のプランでないとできないようです。

 

他にも、ワークフローと承認の自動化がProfessional には備わっていない、

といった違いがあります。

 

Enterprise プランの機能には、

一部課金制のものが含まれています。

 

一例として、

ページレイアウトのカスタマイズが項目ごとに課金されます。

 

レイアウト上のボタンのカスタマイズや、

参照できる項目の設定等が有料となっています。

 

他にも、

Web API と連携できることがセールスフォース(Salesforce)の特徴ですが、

こちらも連携するAPIごとに課金されます。

 

なお、詳細はこちらをご覧ください。

セールスフォース(Salesforce)のUI

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

図1は、

セールスフォース(Salesforce)のホーム画面です。

 

セールスクラウドを開くと、まず自身の営業成績が表示されます

(好調なときはよいですが、不調なときに毎朝この画面を見ると気分が悪くなりそうですね)。

 

右側には、

本日期日に設定されている事項や

、新規リード(見込み客)の割当など、

その日のタスクが一覧となって表示されます。

 

私の会社では、

個人のタスクは手帳で管理している人が多かったので、

このようにシステムに組み込まれると、抜けやもれがなくなると思います。

 

また、物理的な手帳は家や会社に置き忘れる、

というリスクがありますが、

クラウド型のサービスの利点として、そういったリスクをなくせる、ということがあります。

 

図1中のホームタブの横「取引先」は電話帳のような機能です。

Outlook等にも装備されているような、

取引先の名前や電話番号、その他メモ等を入力する箇所です。

 

図1「取引責任者」からは、

個人を指定して、割り当てられた担当者別に顧客を表示します(図2)。

こちらからは、他の担当者の担当先顧客も表示できますので、

急に正担当の代わりに客先に訪問することになった場合などでも、

最低限の顧客情報を共有できます。

 

図1の「リード」では、

「取引責任者」画面同様に、顧客が表示されます。

 

こちらに表示されるのは、本日割り当てられた見込み顧客の一覧です(図3)。

会社名、

顧客の連絡先、

メールアドレスなどが一覧表示されますので、

効率的にその日の営業活動が行えます。

 

図1の「商談」からは、

図4にあるような過去の商談記録の詳細を閲覧できます。

 

商談の中でも、

挨拶段階なのか、

提案前か後か、

案件が終了しているものなのかが一目で分かります。

 

営業担当としては、

今どの段階にある案件なのかは非常に気になるので、こうした機能はうれしいと思います。

 

期末などで売上を稼がないといけない際には、

提案済の案件を集中的に当たって数字を積み上げるような動きができそうです。

 

検索機能がついているので、

過去の商談についてキーワード検索、担当者を検索する、

といったことが可能です。

 

さらに、

図1の「レポート」では、

図5にあるような案件のステージごとの数値一覧が表示されます。

 

案件初期段階の売上見込みの合計、提案済案件の売上見込みの合計などといった具合です。

 

各項目でソートできるようになっているため、

売上時期順に並べる、

金額の大きい順に並べる

といったことが可能です。

 

ホーム画面の設定はある程度カスタマイズ可能となっています。

 

設定画面から表示したい機能の順番を入れ替えたり、

タスク表示の優先度を変更したり、といった操作が可能です。

 

セールスフォース(Salesforce)への円滑な移行

ここで気になるのは、

どのようにしてこの利便性の高いサービスに乗り換えるのか、ということです。

 

すでに自社でCRMシステムを利用している場合には、

データの移行などが必要となります。

 

そうした導入支援は、

セールスフォース(Salesforce)と提携しているコンサルティング会社が支援してくれるようです。

 

たとえば、INFOTECなどです。

またセールスフォース(Salesforce)本体も

Success Plan という名称で導入後の定着支援を行っています。

 

これらの導入前後の支援サービスは、

交渉の上価格が決まるようなので、検討される場合には、直接お問い合わせください。

独自システムとの比較

私の勤めていた会社では、

前述のようにすでに独自のCRMシステムを利用していました。

 

自社向けに開発されているので、

自社特有の項目を作成するといったカスタマイズは自由です。

 

ただし、

開発投資の負担が大きいために、長年仕様は変化していない様子でした。

 

一方で、

クラウド型サービスの利点はプランを変更することで、

ある程度の範囲は手軽に機能の追加や削除が行えることです。

 

営業に関する新たな概念が生まれた際にも、

いち早くシステムに組み込んでもらえば、すぐに利用でき、かつ費用負担はわずかとなるはずです。

 

ただし、自社システムではないので、

あまり汎用的な機能と思われないものを新規に追加してもらう、というったことは難しいかと思います。

 

他社のCRMツール

セールスフォース(Salesforce)以外にも

CRMツールに分類されるシステムはたくさんあります。

 

代表的なものを幾つかご紹介しますので、

比較検討する際の参考としてください。

 

  1. Cyzen
    スマホやタブレット対応のアプリとして開発されていて、営業が外回りをしているときに地図アプリと連携して顧客の住所などを表示できます。
  2. FullFree
    エクセルで現在顧客情報を管理している場合、移行コストが低いようです。エクセル関数をそのまま使える仕様となっています。ダウンロードは無料です。
  3. kintone
    こちらもクラウド型のサービスです。アプリも用意されており、日系大手企業が複数社利用しています。

結論

ここまでセールスフォース(Salesforce)の機能を中心に説明しました。

 

私の勤めていた会社では、検討の結果新たなサービスは導入しませんでした。

 

会社をあげて本格検討したわけではないので、直接セールスフォース(Salesforce)社と交渉はしていません。

 

当時、上司に報告したレポートは、次の通りです。

 

金銭的なコスト増、

導入に際する社員の心理的なハードルの高さ、

そして何より、

付加価値が生まれるのか、といった観点から検討しました。

 

  • すでに使用しているシステムは使い勝手が悪いが、会社の大半が営業人員であり、一人当たり月3万円超という価格は、膨大なコスト増となる
  • 典型的な日系の会社であり、年配の社員はエクセルやOutlookの機能を使いこなせていない。慣れたシステムから切り替えてしまうと、ついてこられない社員が多数発生する懸念
  • 顧客の極めて大事な情報を入力することがある。万が一にも外部に情報が洩れることはあってはならない
  • 便利で使いやすそうな機能は多数ある。しかし、真新しい機能はないように思えた

以上、

セールスフォース(Salesforce)導入を機に自社にとって本当に必要なサービスか、

ということを検討した過程を述べました。

 

しかし、

結論はサービスの利用者、また利用する企業のタイミングによっても変わってきます。

 

新たにサービス利用を検討する際には、

本記事を参考にしてもらい、

改めて自社で今、必要なサービスかどうかを、他のサービスとも比較した上で決定していただきたいと思います。

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